課題

1

社会全体における今後の物流動向

【引用】経済産業省 資料4-1「物流危機とフィジカルインターネット」

物流コストインフレ

物流の能力が、競争力や成長を左右する時代へ

  • 2010年代に「物流需要>物流供給」=物流コストインフレへと転換。
    物流コストインフレは、構造的な問題。カーボン・ニュートラルの要求も、物流供給を圧迫。
  • 物流コストインフレにより、物流の能力が企業競争力の決定要因に。
  • 物流コストインフレは、いずれ物流需要の減退を招き、成長を制約する構造的な要因に。
  • 物流コストインフレを放置すれば2020年代後半に物流危機 (適正なコストでモノが運べなくなる事態)。

ドライバー不足

2024年問題による
社会全体の
輸送量の低下

多重下請構造

2030年に
現在貨物量の36%が
運べなくなる恐れ

DX対応遅れ

課題

2

トラック事業者を取り巻く環境

一般貨物自動車運送事業の
規制緩和について

平成2年 一般貨物自動車運送事業は認可制から許可制へ
過当競争の激化、運賃の過度な値下げ
運送事業者の利益圧迫
ドライバーの労働条件悪化

トラック運送事業者数の推移(単位:者)

上図:全国トラック協会「日本のトラック輸送産業現状と課題2021」より引用

価格競争による利益圧迫

中小企業は大手と比べて価格交渉力が弱いため、顧客からのコスト削減要求に応じざるを得ず、利益が圧迫されがちです。特に運賃の低価格化が進む中、収益が低下し、経営が不安定になるリスクがあります。

最大の課題
トラック事業者63,000社のうち中小企業比率99%

資金力や設備投資の不足

中小企業は資金力に限界があるため、燃費の良い新型車両や自動化設備の導入が難しく、競争力や効率性が低下します。また、運行管理や車両メンテナンスに対する投資が不足し、安全性の確保が難しくなることもあります。

労働環境の悪化

資金的余裕がないため、ドライバーに対して十分な報酬を支払えず、結果として長時間労働や低賃金、労働環境の悪化を招くことが多いです。この状況はドライバーの離職率を高め、人手不足をさらに悪化させる要因となります。

市場の不安定さ

経営基盤が脆弱なため、景気の変動や燃料費の高騰といった外部要因に大きく影響を受けやすく、倒産リスクが高まる可能性があります。

トラック事業者を取り巻く環境
トラック輸送の多重下請構造

課題

3

運送業界における2024年問題

●運転従事者(千⼈)の推移

(出典)日本ロジスティクスシステム協会(JILS)
    「ロジスティクスコンセプト2030」2020年2月

2024年問題

  • 時間規制強化
  • ドライバー不足の悪化
  • 物流コスト上昇
  • 運行コストの増加
  • 社会全体の必要車両数の増加
  • リードタイム増加
  • 物流会社の倒産件数増加

●運転従事者の年齢推移

[出典]厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より国土交通省物流制作課作成

●道路貨物運送事業者の倒産推移

図1 国土交通省 「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」*2 p.9から引用

これらの課題を解決するため
NLPは次のような取り組みをしていきます